今回から数回に渡り「コーヒー日記」と題しまして、コーヒーをテーマにした記事の連載をしていこうと思います。
実は僕自身、昔はコーヒーが大嫌いだったのですが大学に進学してから、大きな変化があって今ではコーヒーは生活に欠かすことができないほど大事なものになっています。
カフェを立ち上げてから数年が経ち、今のタイミングで改めて自分のコーヒーやカフェに対する熱意や知識を広げていきたいと考えたことが、この連載を始めたきっかけでもあります。
各回5分ほどで読めるライトな内容になってますので、ぜひコーヒーを片手に読んでいただけましたら幸いです。
Contents
「コーヒーの世界へようこそ」

今から約五年ほど前、住んでいたアパートの近くのコーヒーショップへ入ると、そこには見るからにコーヒーを愛してやまないそんなマスターが立っていました。
その頃は既にコーヒーに強い関心があったため、カウンターで色々話を聞かせてもらっていたのですが、あるときマスターが僕に放った言葉を今でも鮮明に覚えています。
「コーヒーの世界へようこそ」
この日から、僕は深い深いコーヒーの世界へと飲み込まれていったのです。
コーヒーはいつ生まれたの?その起源に迫る

今回の記事では、コーヒーの起源を覗いてみたいと考えています。
- セブンイレブン
- マクドナルド
- 自動販売機
今は至る所にコーヒーがあるため、「いつからコーヒーが生まれたか」なんて考えることってあまりないですよね。
でも実はコーヒーの起源は数百年も前にあり、発見からの歴史も非常に興味深いものなんです。
その説は「エチオピア」と「イエメン」の大きく2つに分かれているのですが、最近ではエチオピア最初に発見されたと主張している人が多いようです。
ただ、実際のところこの2つの有名な説より、更に400年前にあたる西暦900年ごろアラビア人の医師ラーゼスが、コーヒー豆の効能に関する文献を書いているのです。
「コーヒー」という概念ができたのはいつか
ここで言う「起源」は豆の発見を指すのか、豆を抽出した飲み物の状態を指すのか
論点は複雑になってきてしまいますが、ひとまず今回は有名な2つの伝説を見てもらえたらと思います。
コーヒーの起源は「エチオピア」説
6世紀頃のエチオピアの高原に、「カルディ」と言う名のヤギ飼いの少年がいました。
彼はある日、飼っているヤギたちが夜も元気なことに気が付きます。
観察を重ねヤギが食べていた赤い実が原因ではないかと予想を立てて、自分も食べてみると…
なんと全身から活力が湧き上がるような感覚を覚えたのです。
この奇跡的な体験をカルディは修道士に伝えると、いつの日からか修道士の中で「睡魔に打ち勝つ秘薬」として赤い実(コーヒーの実)が知られるようになりました。
– 参考:ファウスト・ナイロニの「眠りを知らない修道院」(1671年)
コーヒーの起源は「イエメン」説
13世紀頃のイエメンの山中での伝説です。
イスラムの僧の「オマール」が町から追放され、山を飢え死にしそうになりながら歩いていた時、目の前の鳥が食べていた赤い実を思わず口に入れました。
するとみるみる疲れが取れ、体調も改善されました。
その後、病気で苦しむことになった町の人がオマールから赤い実の効果を聞き、その煮汁をみんなに与えたところ、具合の悪かった人々の命が救われたそうです。
ちなみに、その後コーヒー豆の積み出し港と発展したこの町の名前は、有名なコーヒー豆の名前になっている「モカ」でした。
– 参考:アブダル・カディ(1587年)『コーヒー由来書』参考
世界中でコーヒーが人気になったきっかけ

コーヒーというとヨーロッパのイメージがあるでは方も多いと思うのですが、起源はヨーロッパではないなんて驚きですよね。
さて、コーヒーの起源がわかったところで、今度はコーヒーが人気になったきっかけを見てみようと思います。
コーヒーがヨーロッパに広がり、世界中で人気に!
コーヒーが飲料として飲まれ始めたのは、10世紀初頭からだと言われています。
コーヒー豆を指す「バン」とその煮汁「バンカム」について記述がいくつかの書から発見されたのですが、このコーヒーの原型である「バンカム」では、まだ豆は焙煎されていなかったようです。
その後しばらく、コーヒーはイスラム教寺院の中だけで飲む「眠気を払う霊薬」になりました。
豆を煎って飲むようになったのは13世紀頃だと言われており、16世紀になるとトルコへコーヒーが上陸します。現在でも「トルココーヒー」は有名でありますが、その市場性を感じた当時のトルコ商人たちがヨーロッパ全土へと広めていきました。
歴史の中でコーヒー弾圧を繰り返されながらも、イギリスを始めとする多くの国でコーヒーハウスが多く作られ、世界へと発展していったのです。
18世紀にオランダからコーヒーが来日
日本にコーヒーが行き届いたのは、18世紀の江戸時代だと言われています。
長崎の出島にオランダの商人が持ち込んだようですが、まだ種類が少なかったことや、日本人の好みに合わなかったこともあり、まだ世間に浸透はしなかったのです。
コーヒーは「悪魔の飲み物」と呼ばれていた
これは余談なのですが、コーヒーはかつて「悪魔の飲み物」と呼ばれている時期があったんです。
「キリスト教徒の聖なる飲み物であるワインをイスラム教徒は飲めないため、悪魔からコーヒーを与えられる罰を受けている」として、「悪魔の飲み物」にあたるコーヒーの飲用に反対する人間もおり、ローマ教皇はコーヒーに対する教会の見解を出すように求められた。
-出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』コーヒーの歴史 より引用
しかしこれを受けて、当時のローマ教皇クレメンス8世はコーヒーを裁判にかけるべく、自ら味見をしたところ、コーヒーの香りと味に魅了されてしまったらしく。
結局クレメンス8世は、「悪魔の飲み物」と言われていたコーヒーに洗礼を施して、キリスト教徒がコーヒーを飲むことを公認したのです。
最後に

いかがだったでしょうか?
コーヒーの起源として、いくつかの伝説があったりコーヒーを巡って宗教的な対立があったりなど、その歴史は想像を絶する深さがあったことかと思います。
普段何気なく口にしているコーヒーから広がる、ロマン溢れる文化の匂いを引き続きお楽しみいただけたら幸いです。次号でまたお会いしましょう!