カフェ/コーヒー

【第8章】大学生なのに借金100万円!?「経営者は孤独です。」辛かったカフェ創設日記 – 『種まきレポート』

 

くろしゅん
くろしゅん
前回の記事では、「cafe sowers(カフェ・ソワーズ)が実際にオープンしたその日」について、当時の想いをたくさん盛り込ん見ながらご紹介させていただきました。今回は、カフェ創設にあたって辛かったことや苦労したことをお伝えします。メンバーには言えなかった想いや、僕自身の話なども含めて綴ります。

 

大学生にして借金100万円を抱えた話

昔自分の親族の中で、借金に困っている人がいたんです。その経験からも、お金を人から借りたりはなるべくしたくないと思うようになっていました。

「金の切れ目は縁起きれ目」という言葉がある通り、お金で信用を失いたくなかったからです。

しかし僕はカフェを創設するにあたって、100万円もの借金を抱えることになってしまいました。

 

カフェ創設の過程で借金(投資)をすることになった

人生初の借金を背負った時は、世界一周から帰国して移動販売を開始した当初でした。

資金的なリスクを抑えることができるため移動販売を選びましたが、それでも50万円くらいはお金が必要でした。旅から帰ってきてお金もろくにないまま、スピード感を命に動いていたため、苦渋の作で借金をすることになりました。

  • 借金返済&資金繰りのためのアルバイト
  • 手探りの中の移動販売
  • 卒業論文執筆に大学院の入試

などを同時にこなさなければならなかったため、正直かなり体調的にきつかったです。

 

2度目の借金経験は、店舗のカフェを開業する時です。

前回の経験からも初期費用が十分にないといけないと考え、その夏は夜中までとにかくバイトをしていたのですが、これまた店舗化に伴う全てを賄うほどのお金は足りませんでした。

集まってくれた学生にその莫大な金銭的負担を負わせることなど考えもしなかったので、自分で全て負担することを決意し、借金があることや自分の経済状況は誰にも言わず自分の中にしまっておくことにしました。

移動販売開始からのわずか約10ヶ月ほどの期間で、友達からジュース代を借りるのも嫌いな僕が、合計約100万円ほどの借金を背負ったのです。

ただ僕は、未だにこの時の決断を悔やんではいません。

その時に諦めていたら、一生成し遂げられない気がしましたし、この100万円は借金ではなく未来への”投資”だと思っていたからです。

 

カッコつける必要はない、失敗は悪い事じゃないから


「何かを新しく興す」ということには、大きな責任と覚悟が必要だと実感しています。楽しいだけではなく、時に辛いことなど苦難がたくさん待ち受けています。

もし僕のように、(カフェでもカフェ以外のことでも)0の状態から何かを創り上げようと志す人がいるのであれば、そのチャレンジを僕は全力で応援したいです。

その応援の1つとして、今回のような失敗談や自身の辛かった経験も人に伝えていけたらと思っています。

 

昔の自分だったら、「こんなことしたんだよ!」ってかっこいいことだけ言って生きているかもしれません。でも実際は、楽しいだけじゃ語れない様々な苦難や、人に言えないような失敗があるんです。(僕の場合、今回の借金の話とか…笑)

そんな自分のリアルを、僕は発信できればいいなと思いました。

失敗することは悪いことではないし、何も恥ずかしいことではありません。どんなに凄い人だって、トライアンドエラーを繰り返して事業を成功させてきたのだと思うので。

もうカッコつけるだけの自分は捨てて、自分に素直でいられる自分でいる事、これこそが僕が抱ける最大限の覚悟だと考えています。

 

数え切れないほどの失敗

他にも、失敗を語ったらきりがなくなってしまいます(笑)

  • カフェをやるとFacebookで書いたら、地元の友達に馬鹿にされた話
  • 商工会に行ったら、「学生だから」と言われて名刺をもらえなかった話
  • 想いのすれ違いや自分の力不足で、メンバーが去ってしまったときの話

また色々な機会に、それらの失敗談や苦い経験も発信していこうと思います。

くろしゅん
くろしゅん
気になる人は、なんでも聞いてくださいね!その話が誰かの糧になるのなら、ぜひお伝えしたいのです。

 

経営者は孤独な存在なんです


「経営者」という呼び方が正しいか分かりませんが、「創設者」や「リーダー」というものはとても孤独な存在だと思います。

例えば僕が、孤独にさいなまれる時はこんな瞬間です。

  1. みんなに打ち解けられない重い悩みを、1人で考え続けなければいけない時
  2. 何か問題が起きた際に責任を取って、自分が謝ったり対応をしている時
  3. 今直面している状況だけでなく、ちょっと先の未来を見据えて動かなければならない時
  4. 結果的に、自分だけが動くような状態になってしまっている時…

数えたらキリがないほど、独りで苦しむ場面がありました。

楽しい時はいろんな人がいてくれますが、いざ忙しい時や、何か大きな責任が伴う時など、本当にしんどい瞬間こそ”独り”になってしまうことが多いものです。

(”独り”に感じてしまう、という言い方のほうが正しいかもしれません。)

 

「じゃあ仲間や家族に相談すればいいじゃん!」と言われてしまえばその通りなのですが、これは簡単にはできなくて。

メンバーを信頼していないからというわけでは決してなくて、単純に自分の力不足や、頼るタイミングの違いなどによるものなのです。

出会ったばかりなのに、いきなり頼ることができないし、大好きなメンバーだからこそ申し訳なさを感じてしまい、結果的に「まずは自分がやらなきゃ」と考え体が勝手に動いてしまいます。

 

でも、その分苦しみをなんとかくぐり抜けて、仲間と手をつないで一緒に悩んでもらえる瞬間というのがきた時は、最高に幸せを感じられる時間に思えるんです。

今もまだまだ仲間を頼ったり、打ち明けられない悩みを独りで抱えてしまう日もあるけど、少しずつ歩み寄りたいと思っています。

 

僕は「仕組み」をつくりたい


今回は、カフェ創設の際に辛かったことや悩んだ経験を話してきました。

しかしこれらの悩みは、実は簡単に解決することができたかもしれないんです。

しんどいその場を一回リセットして(辞めて)、大学を卒業して資格を取ったりしっかりと準備をしてから、一人でカフェをするなどしたら、少なくとも今の辛さから解放はされたはずです。

(もちろん、また違った悩みは生まれるとは思いますが…)

 

でも僕が目指していたのは、やはりカフェの創設ではなかったのですよね。

前回もお伝えしたように、「カフェ」は手段にしか過ぎません。

確かに簡単ではなかった分そこをゴールのように思えてしまいますが、”その先にこそ”自分のやりたいことや目指しているものがありました。

 

中でも特に大事にしていた目的が「仕組みづくり」です。

僕はcafe sowersを将来的に、この先いろいろな人に引き継いでもらって、その人たちなりの自己表現の場としてどんどん変えていってほしいと思っています。だってその方が、いろいろな人が集まりやすいと思うし、面白い化学反応が生まれると思うからです。

大それたことを言うつもりはありませんが、僕は本気で「仕組み」を作りたい。

だから今はそれに向けて、自分に足りないこともあればその都度悩み、トライを繰り返して仲間とともにまだない基盤を作っていかなければなりません。そしてその過程で僕が大事にしなければならない事は、単発的な辛さから逃げることではなく、しっかりと目の前の苦難に向き合いながら、そんな自分についてきてくれる仲間をとにかく愛することだと思うのです。

「ありがとう」しかいつも言葉が出ません。

共に悩んでくれて、共に笑ってくれる全ての方に感謝を込めて。