カフェ/コーヒー

【第10章】「常識は崩して、想いは重ねて」卒業する君に託され託す -『種まきレポート』

くろしゅん
くろしゅん
前回の記事では、「カフェが始まった1年目の様子」についてお伝えさせていただきました。今回は、やっと迎えた1周年記念日の事と、次世代(第3期)への引き継ぎをテーマについてご紹介しよと思います。寒かった1年目の冬と、新しい世代へと引き継がれた春を綴ります。

 

オープンより盛大だった1周年記念日

皆さんは街中で「祝い花」を見たことはありますか?

祝い花とは、お店などが新しくオープンした時に贈られるお祝いの花束のことです。花と一緒に、新しくできたお店の名前や祝いの言葉が書かれた木札も、一緒に添えられていることが多いですね。先日カフェの横にバーができまして、そのお店の前にもたくさんの鮮やかな花束が並べられていました。

カフェオープンの際にも色々な品物やお花をいただいたのですが、1周年を迎えた時はその頃よりもっとたくさんのお祝いでカフェは賑わいました。その日ふと考えたことがあるので、それについて少し紹介させてください。

 

あっという間に迎えた2度目の冬

冬には雪が降りました。看板にも積もった雪はなかなか溶けてくれません。

1〜2月に入って町の雰囲気がガラッと変わったが、他の季節と比較してよくわかりました。そう、閑散期です。

寒いことと、実家への帰省が重なりお客さんが全く来ない日もありました。でもそこでめげずに、こたつカフェや冬限定のメニューを打ち出したりと自分達にできる工夫をしていきました。

辛い冬ではありましたが、これを超えたらまた新しい春が来る!そう思ってみんなで進みました。

 

cafe sowersでの「1年間の積み重ね」を目の前に

カフェがオープンしてから1年が経ったある日、「cafe sowers1周年記念パーティ」というイベントを開催しました。

人がほとんど来ない日なんかも経験したため、当日も人が集まってくれるか心配もしていましたが、その思いとは裏腹に多くの方がカフェに出向いてくれました。カフェメンバーからお礼の言葉を述べたり、オリジナルムービーを流したりと楽しい夜になりました。

パーティとはありますが、来てくれたお客さん同士が繋がるように話しやすい工夫をしました。大好きな人同士が繋がる瞬間って、本当に素敵だなぁと毎回思うのです。

 

たくさんの方の笑顔に見送られ、ソワーズの1周年記念パーティは無事に終わりました。
(※「1周年記念動画」はこちらからも見れます!)

パーティが終わって、お祝いとしていただいたものをキレイに並べたときに、ふと思ったんです。

「あれ?なんだか1年前よりも盛大な気がする…」

普通だったらオープンの時にお祝いが集まって盛り上がると思うのですが、僕らの場合は何でもない普通の大学生たちがカフェをオープンしたものだから、まだ認知度も少なかったり地域の人の理解も浅かったのでないかと思います。そんなオープン記念パーティを経て、1年越しに迎えた今日に、こんなにも多くのお花やお祝いの言葉をいただけて、迷いながらも進んできた1年間の積み重ねを心に感じました。

まだまだ至らない点も多い僕たちかもしれませんが、こうして毎年努力や想いを重ねていくような運営を続けていきたいと思いました。

 

 

大事なモノを手放すということ

カフェ創設の頃から、僕が何度も言っている「組織作り」という面を考えると、自分はなるべく早くカフェを引退すべきだと思っていました。でも、以前の記事で書いた通り借金を抱えていたり、基盤作りを仕切れていない状態で「お店を託す」ということは、引き継ぐ相手に対しても失礼だし、固めるべきところは固める義務が開いた僕にはあると思いました。

だから僕は、カフェの運営にも関わりを続けながらも、「大事なモノを少しずつ手放す」という選択をすることに決めたんです。

 

大事なモノとは、例えばなんだろう。

  • 「創設者」という肩書き
  • 出資した分のリターン
  • みんなをまとめる統率力

こうやって書いて見ると、全然僕これらに最初から魅力は感じていなかったんですよね。

だからあえて手放したわけではないけれど、今まで以上にこれらをより遠くへ置いて、もっともっと他のメンバーに渡していきたいって思いました。借金はなんとか春までに返しって、オーナーという名前もみんなで使って、まとめるのも自分じゃない方がもっちいい組織になるんじゃないかなって思って。

 

このころの僕は、「ティール組織」というものに憧れていて、そこを目指したりもしていました。

「ティール組織」とは?

組織内における階層的な上下関係や細かな規則(ルール)、定期的なミーティング、売上目標や予算の設定など、多くの組織で当然のように扱われている組織構造や慣例、文化の多くを撤廃し、意思決定に関する権限や責任のほぼ全てを経営者や管理者から個々の従業員に譲渡することによって、組織や人材に革新的変化を起こすことができる《次世代型組織モデル》として、世界中から期待が寄せられています。

Bizhint「ティール組織」より引用

 

ティール組織を参考にした理由は、学生でもお店を回すことができる画期的な仕組みを作れる気がしたのと、僕の想いもそこに通ずる部分が大きかったためです。

大きな目的を達成するためには、”世間一般で大事だとされている”モノを手放していくことも大事なんじゃないかなって思っています。

僕は創設した当初からこの想いは変わらず、「すごいね!」って知らない人に言われるよりも、「いつもありがとう」「一緒にガンバろう!」って近くの人に言われることの方がずっと嬉しいんです。

 

常識は崩して、想いは重ねて

カフェ卒業式の日のこと

1周年記念パーティの後は、3月の「カフェ卒業式」が特に思い出深いイベントでした。

カフェの4年生メンバーをカフェでも送り出すと共に、ソワーズ第2期としての活動の一区切りとしてメンバー全員の卒業を祝おうという会でした。辛い日々や喧嘩をした時もありましたが、最後はやっぱりこのメンバーで一緒に1年間いれてよかったなぁという想いで溢れていました。

「カフェを残しておいてくれよ!」という卒業するメンバーからの言葉と一緒に、彼と交わした硬い握手の感覚は今でもずっと覚えています。もし僕もいつかここを去る立場になったら、「また帰ってこれる場所」を残したい気持ちを絶対抱くと想います。

 

じゃあ10年後もsowersが存続するためには、何をしたら良いのだろうか。

  1. (良い意味で)常識を崩すこと
  2. (みんなの)想いを重ねていくこと

この2つが大事だと思いました。

前者は、その年のメンバーで、その人たちが「ありたい姿」「あるべきだと信じる姿」にカフェを変えていってほしいという意味です。前の年と同じことをしなければいけないわけじゃないし、「人と人が繋がる」ために、その時カフェが必要でないのならばカフェじゃない何かにソワーズが変わっていても面白いんじゃないかなって。時代とともに変化できる組織でありたいと思っています。

後者に関しては、リーダー1人の想いだけをずっと引き継ぐのではなく、メンバーみんなの想いを重ねあって次世代へ渡していけたらと考えています。これももちろん強要するものでは決してなく、1周年記念パーティの時のようにたくさんの想いが重なっていったらうれしいだけじゃなくて、素敵な化学反応が生まれるかもしれないと思うからです。

 

そんなことを考えた、深い深い1日に卒業式はなりました。

 

おわりに

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

早いもので、これにてカフェ創設〜1年目までの話は終わりになります。

引き継いだ後は第3期と呼ばれる、2019年度を担当したみんなとの物語の始まり…

 

なのですが、一旦ここで連載はお休みをします。

理由は、3/23(土)に第3期の卒業パーティがあるからです。3期での想い出はその日にじっくり振り返って、いろいろな感情を抱きたいと想います。ブログで書くのはその後かな。

3/23(土)は18:30~イベントを開始します。誰でも大歓迎なので、ぜひ直接見に来てもらえたら嬉しい限りです。

興味がある方は、こちらから詳細を見れるので宜しければ!

 

カフェ序章〜10章まで本当にあっという間でしたが、これらの記事をきっかけに僕の普段は勝たれていない想いや、cafe sowersの事を色々な人に知ってもらえたら嬉しい限りです。第11章も楽しみにしていてくださいね…!!