まだほんのり空も暗く肌寒い、午前4:21。
僕は温かい何かに呼ばれたような感覚で、目を覚ました。
今日は、この1ヶ月関わってきた「田舎フリーランス養成講座」というWeb合宿の最終日。
休みの日は2日間、しかも片方は病院だったから、本当に怒涛の6月だった。
自己禁句ワードを「忙しい」に設定し、受講生・講師運営とともに駆け抜けた。
そんな中で、僕が最後の夜に感じた「とある想い」について今日は綴りたい。
「悩むことの美しさ」
僕の人生を形作る1つのキーワード。
もし今
- 自分の人生に悩んでいる
- きっと周りから見たら些細なことだけど、辛いことがある
- 何かにチャレンジしたいけれど上手くいっていない気がする
そんなふうに想う人がいるのなら、ぜひ読んでみて欲しい。
ただ、先に伝えておくと
この記事を読むことで、悩みが消えることは無いと思う。
いや、むしろ消さないで欲しい。
その悩みを一緒に肯定し、その美しさを一緒に感じたい。
僕の人生を変えた恩師のことば「あなたの悩む姿が、一番好きだ。」
例えば、親の離婚や日々の自己嫌悪。暗い背景を小学生から抱えながら生きていた僕は、どうしようもない中学生だった。
今振り返ると少し恥ずかしい中学校生活3年目、最後の担任は国語の先生。
生徒が帰った後、誰に見られるわけでもないのに教室を一人でピカピカにし、裏にある小さな黒板にびっしりとメッセージを毎日残すのだ。
「ことば」を愛するその人が、卒業式にどんな言葉を書くのだろうか。
僕は少しドキドキしながら、中学最終日のドアを開けた。
みなさん、卒業おめでとう。
……笑った顔、幸せな顔、頑張る顔、いろんな表情がこの3年間あったことでしょう。
その中で一番私が好きなのは、みんなの悩んでいる顔です。
あなたの悩む姿が、一番好きです。
あなたの悩む姿は、何よりも美しい。……
衝撃的だった。
これまで肩に乗っていた重く薄暗い感情が、なんだかスッと消えていく感覚を覚えた。
誰も見ていない教室を掃除しながら、先生も何かに悩んでいたのだろうか。
自分が悩ませてしまった日々もきっとあったんじゃないか。
でも想像してみたら、確かにその時の先生の表情はきっと綺麗な気がした。
悩むことは、決してネガティブなことではない
「悩む」「美しい」
ことばを単純に並べてみても、この2つが一緒になることには若干の違和感が走る。
時に人は、悩むことに疲れてそこから逃げ出したくなる。
- 悩んでいる原因を、なかったものにしてみたり。
- 悩んでいる自分を、悩んでいない世界に無理やり連れて行ったり。
僕は昔から、自分も含めたいろんな人の感情を”普通”よりちょっと感じやすい気がする。
だからいつも悩める自分に悩むし、悩む人の横で一緒に悩んでしまうことがよくある。
なんなら、悩みが0の日なんて僕には無いのかもしれない。
中学2年生の僕だったら、どうやったら今の「悩み」から解放されるかを必死に考えていたことだろう。
でも今は、どうやったら「悩み」と一緒に歩き続けられるかを模索している。
「悩むことは、美しいんだ。」
本当に美しいのか、”悩む”日もあったりはする。
ただ、確かに思えることは悩んでいる誰かの姿は、確かに素敵だった。
どれだけ苦しいかは、その人の中に入ってみないと当然理解はできないけれど、悩んでいるその姿を隣にいる自分が誰よりも肯定してあげたいと強く思った。自分のことだってそう。
もっと良くしたい(未来)
何かさらに良い方法があったのかも(過去)
悩む理由は、ポジティブな感情や目的から生まれているのだから、それを肯定し「美しい」と称賛することは、決して変なことではなない。
悩むことを、やめないで!
少し話を戻す。僕は今、山梨県で「人生の選択肢を増やすキャリアスクール」を目指す合宿運営に携わっている。
単純なWebスクールではないことに共感していて、コンセプトにもある「多様な生き方を学ぶ」という機会はこの上なく貴重な経験だと思う。
ただやはり、選択肢を増やすということは、新しい悩みを生むこともあるのだ。
実際に一緒に1ヶ月間、一緒に暮らしながら受講生のみんなと学んできて、たくさんの”悩み”に出逢ってきた。これは僕自身にも、そして講師や運営の人も一緒だと思う。
キャリアや生き方について、とことん悩み抜いた頃の自分を想い出すと、横にいる受講生の悩むしんどさが胸が痛むほどわかる瞬間は何度もあった。
それらの悩みから抜け出すために、手を引っ張ることは今回しないと決めていた。
一瞬で楽になれるかもしれない。でもきっと、僕がやるべきことはそれじゃなくて。
1ヶ月を終えたって、新しい悩みがまた生まれたって、時に挫折しそうになったって
いつの日でも
一緒にその悩みを肯定して、「美しいね」と微笑むことをしたい。
今もし何かに悩んでいる人がいたら、その悩みを消す解決策を探す前に
まずは悩める自分に誇りを持って、それを全力で肯定してあげて欲しい。
悩みを消す技術よりも、悩みをポジティブに抱き続ける感覚の方が
よっぽど大事なんじゃないかな。
ぜひ悩むことを、やめないで!
最後に
合宿最終日の朝は、やっぱりちょっと淋しい。
- 都留に来てくれたみんなは、この地を楽しんでもらえただろうか
- 講師として自分には何ができただろうか
- ここで出逢った君は、どんな明日を過ごすのだろうか
そんな美しい悩みを抱きながら、
今日もみんなの集まるコワーキングスペースに歩き出す。