2015年11月に、モロッコのシャウエンという町を訪れた時の話。最近ではポストカードや写真集で登場することも多くなってきた、蒼の世界が広がるシャウエン。モロッコの北部に位置する。とってもカラフルで、まるでおとぎの世界だった。
町中が蒼だらけなのはなぜ?
この町はどこを歩いても青色。たまに白色もあるのだけれど、基本的には青で統一されている。なんでだろう?と思って町の人に聞いてみると、これは宗教上の出来事なのだとわかった。1930年代にここに住んでいたユダヤ教徒が、平和の象徴として青い色を重んじていたためすべて統一して青色に塗られたそうだ。噂通り町中が青くて綺麗だった。
緑豊かな小さな町
町を歩けば、自然に囲まれた小さな町だということがわかる。すぐに町全体を歩くことができてしまうし、歩き疲れたらちょっと外へ出れば緑がいっぱいの場所に出る。その中でコーヒーでも飲みながらゆっくりするのも最高のひと時。
まるでここはおとぎの世界
少しだけ道の端っこに目をやると、可愛い小物が置かれていたりホッとするような光景を目にすることができる。こういったひとつひとつの色合いや物の感じが、まるでおとぎの世界のような感覚にしてくれる。
他にも魅力がいっぱいの町
お土産も特徴的な店が多くて、見ているだけでも楽しかった。このアンティークな店はひとりのおじちゃんが金の板などをトンカチで叩いたりして形作った立派な作品。キラキラしていて、吸い込まれるように入っていった。
人々もとても温かくて、気持ちよく挨拶をしてくれた。道に迷った時もいろいろな人が助けてくれて、夜中に着いて困っている時もこどもたちが道を案内してくれた。この町の魅力は、青くて綺麗というだけではなくてここに住む人たちの人柄も合わせてのものなのだと感じた。
でも、気をつけなきゃいけないこともある
奥の方に進んでいくと、よくわかるのだが「ハッパ」「マリファナ」と声をかけてくる人も多いし、あるゲストハウスでは中で人が集まってマリファナを吸っていた。もちろんそれらは違法であり、決して害がないわけではない。静かな町だからこそ流行ってしまうのか、少し複雑な気持ちになった。
シャウエンで出会った大好きな2人
この町でひとりの旅人とひとりの住人と仲良くなった。滞在した3日間2人とは毎晩一緒にご飯を食べた。僕が値段の関係で他のゲストハウスに移った後も、毎晩呼びに来てくれて、タジンというモロッコの美味しい鍋料理をご馳走してくれたり、一緒に出かけようと誘ってくれたりもした。
イタリア人の彼女は、バルーンアートを練習しているらしくって、町のこどもたちの心を一気に掴んだ。朝おなかすいたね、なんて話していたら「ちょっと待って」と言ってすぐさま風船を取り出し、お菓子屋さんのお菓子とパンケーキをバルーン1つと交換してきた。あの時の彼女の満面の笑みと、バルーンをもらって喜ぶ店員さんとその子供の顔が今でも忘れられない。コミュニケーションも積極的にとって、すぐ現地の人と仲良くなってしまう彼女は本当に魅力的だった。
右側の彼は、障がいをもっていて言葉を発することができない。それでも初日から一生懸命いろんなことを伝えようとしてくれて、歓迎してくれてすごく温かい人だと思った。彼が毎晩振舞ってくれた料理はとっても美味しくて、ご飯を食べながら一緒に笑い合ったり、美味しさを体で表現し合うあの時間が楽しかった。
いつだって出逢った友に感謝
すっかり好きになってしまったシャウエン。もちろん町自体も綺麗だったんだけど、それだけじゃなくて多くの素晴らしい人と出会えたから、さらに僕はこの町を好きになれたんだと思う。またゆっくり来たいな。いつかは家族と!
今日も読んでくれてありがとうございました。